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泉田 佑子 Yuko Izumita
イナンクルピリカ ♀ 2024.5.15 制作
2020年5月から、NHKの関東甲信越地方放送何組審議委員を依嘱され、2023年9月から翌年4月までは委員長を務めました。
公共放送の番組に対して、県の代表として意見するのは非常に責任のあることで、毎日テレビ番組をチェックする日々が4年間続きました。
月に一度の会議で、渋谷のNHK放送センターを訪れた時、株式会社HiSCの小山内社長にお会いしました。放送業界の高度AIによる音声原稿の文字起こし技術をはじめ、ITシステムで人々の幸せを創造する企業を目指しておられます。
何度かお会いする中で、「パートナーシップで実現する幸せ創造企業」という企業理念をテーマにした作品を書かせていただけることになりました。
私は、人に「ふるさと」があるように、企業にも「ふるさと」があり、環境が人や企業を育み、それぞれの生き方の基盤を作るのではないかと考えています。
「風土と自然と人」、ここに真の幸せや豊かさの素があるのではないでしょうか?
そして、文化は「より良く生きよう」とする人々の工夫や創造力から生まれて来るように思います。
株式会社HiSCさんのふるさと札幌は、複雑な歴史に対峙しながらも縄文時代からアイヌの文化が流れている土地です。自然と共に生きる暮らし方“日本人の心の原点的思想”が現代にまで引き継がれています。私は、アイヌ神話において、天地開闢に関わった始めの神(カムイ)「ふくろうの神」をモチーフに作品を制作することにしました。筆は、「白ふくろうの羽根」を使いました。絵のように見えるかも知れませんが、一筆で書けるように書き順を思考し、一回性の美を追求した書作品です。
その作品の制作中に、今回展示の書が生まれました。双子のメスふくろう「イナンクルピリカ♀」バージョン。「イナンクル」はアイヌ語で「幸せ」、「ピリカ」は「美しい」の意味ですので、「イナンクルピリカ」で「美しき幸あれ!」という意。脚には、「幸」の甲骨文字をアレンジした、幸と不幸を分けるバーを持っています。
この書を通して、たくさんの皆さまに多幸が訪れますように。
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